杜氏「井上創平」

新しいことへの挑戦、
ものづくりが楽しい。
これまでの経歴について教えてください。
琉球大学理学部化学科と大学院を卒業し、2003年に忠孝酒造に入社しました。最初から杜氏になろうと思っていたわけではなく、「ものづくり」に興味があって、醸造の仕事がとても面白そうだなと感じたのがきっかけです。気が付けばこの道20年になりますが、まだまだ若手だと思っています(笑)。

杜氏とはどういうお仕事でしょうか?
泡盛を「造る」仕事です。
もともと「杜氏」とは日本酒の製造責任者なので、対外的にはよく使われますが自分では言わないですね。
忠孝酒造には現在、3名の造り手がいます。
私が入社した頃でも、先輩たちから仕事を教わるときに「厳しい」「きつい」という感じではありませんでした。作業の基本的な流れやマニュアルがあり、機械設備も整っているので、ある程度は決まった手順で進められます。ただ、酵母の状態がいつもと違うときには、香りや見た目で状態を見極め、適切に対処する必要があり、そこは経験がものを言います。
生き物(酵母菌・麹菌)を相手にしているので、そこからはマニュアルでは足りないですね。

泡盛造りで大変だったこと、苦労したことはありますか
特に思い当たりません(笑)。
もちろん、上手くいかないこともありますが、それはどんな仕事でも同じことですよね。ものづくりが好きなので、新しいことに挑戦するのも楽しいですし、苦労した経験よりも楽しさの方が大きいです。

泡盛造りでのこだわりや大切にしていること、これからの目標について教えてください
再現性は大切にしています。本来、同じ造り方なら同じ品質にならないといけない。
しかし実際には気温や湿度の微妙な変化で麹や酵母の状態が変わり、発酵が思うように進まないこともあります。だからこそ試行錯誤が必要で、思い通りの品質を安定して出せるようになることが目標です。
また、忠孝酒造では「手作り泡盛体験」(要予約)も提供していて、私たち作り手と同じ作業をお客様にも体験していただけます。興味があればぜひ一度お越しください。
おすすめの銘柄、泡盛の飲み方や楽しみ方があったら教えてください。
最近リニューアルした「忠孝」の炭酸割がおすすめです。フルーティな香りで、さっぱりと飲みやすいです。また、風味がしっかりした「忠孝ゴールドプレミアム」などは、お湯割りで楽しむのも美味しいです。